情報爆発の世界では、消費者は『話半分フィルター』を持つべき

大好きな情報番組「ガッテン!」の2017年3月1日の放送は、小野アナの謝罪から始まりました。その前の週、2月22日放送の「最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎」に不適切な表現があったとのことでした。

不適切な部分は、まとめると次の2点です。

  1. すべての糖尿病患者に、睡眠薬の摂取が有効という誤解を与えた
  2. 一部の睡眠薬だけが、まったく副作用のない安全なものという誤解を与えた

確かに表現に、行き過ぎがあったのかもしれない

上記2は、確かにその通りだと思います。私も実際に番組を見ましたが、「副作用の心配のない睡眠薬だったら、服用したい」と感じました。

番組によると、睡眠薬には以下の3種類があります。

  • GABA受容体作動薬: 脳全体に作用。脳の興奮を抑え、熟睡を取り戻す。
  • オレキシン受容体拮抗薬: 脳の一部に作用し、熟睡を取り戻す。2014年発売。
  • メラトニン受容体作動薬: 脳の一部に作用し、熟睡を取り戻す。2010年発売。

番組内で推奨されていたのが、「オレキシン受容体拮抗薬」。睡眠薬は、習慣性という副作用があるイメージがないですか?でもこの新型睡眠薬には、それがない。

なぜなら、従来の睡眠薬は脳全体に作用していたが、これは睡眠ホルモンを司る部分のみに作用するものだから、という説明だったと思います。

でも実際には、「上の3つのどのタイプのものにも副作用はある」として、謝罪していました。

確かに謝罪ポイント2は、誤った情報を与えたことになるでしょう。

キャッチーな部分だけで、早合点しちゃいけない

しかし謝罪ポイント1は、少なくとも私には「一部の睡眠障害を持っている高血糖値の人に効く」という内容は、正しく伝わっていました。

番組を最初から最後まで全部見た上で、「すべての糖尿病患者に睡眠薬が効く」とか、「睡眠薬で糖尿病が治る」と捉えたとしたら、それは捉え方に問題があるとしか思えない。さすがにそこまで言っていない。

ガッテン!って、結局結論だけ見て、「あっ!そうなんだ!」と早合点している人が多いのではないかと思います。

実際、街頭インタビューとか、実験とか、ゲストとの掛け合いとか、冗長なんですよ。私も録画して、美味しいところだけ見ることがほとんど。

たまたま、この回は内容が衝撃的だったので、じっくり巻き戻したりしながら何回も見ていました。糖尿病予備軍として、非常に興味深かったからです。

消費社会は、常に脳が刺激されている

現代社会は、さまざまな情報にあふれています。その中で、自分の商品を目立たせなければ、それを売る人たちは生き残れません。

テレビ番組も、一種の商品です。あまたの番組の中から選んで見てもらうには、派手な表現にせざるを得ません。ありきたりで地味な表現は、誠実かもしれないですが、まったく目立ちません。誰も選ばない。

情報爆発の中に生きる私たちの脳は、常に興奮状態にあるんじゃないでしょうか?もちろん無意識に。自覚がないことって、怖いです。

ガッテン!は、とても優良なコンテンツを、誠実に放送している数少ない番組です。ただ今回は、少し表現が行き過ぎたということでしょう。間違いは、誰にでもあります。

表現が行き過ぎるのは、見ている側がそれを求め、番組が期待に応えてしまうという現象でもあると思うのです。ある意味、ショーなんですよ。

間違った情報を問いただすことも必要かもしれません。しかし一方で、そのまま鵜呑みにしない、話を半分に聞いておくフィルターみたいなものを、受け手も意識するべきではないでしょうか?

じゃないと、発信者がビビって、つまらない作品だらけになってしまうかもしれないです。それこそ、本当につまらない話ではないですか?

 

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ジェーン

ジェーン

外資系企業で働くワーキングマザー。海外駐在と、外資での勤務経験をもとに、仕事に関わる英語の話、マインドセットの話などを中心に書いています。詳しいプロフィールはこちら